NY Bar 受験資格請願 (petition) 手続②

NY Bar
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時間がかかってしまいましたが、先日やっと必要書類を揃え、petitionレターを提出することができました。最終的にどんな書類を提出したのか、どなたかのご参考になればと思い記録しておきます。

1.提出書類

①【必須】宣誓供述書(Petitionレター)

これが本体です。裁判所に対し、どういった理由でpetitionしようとしているのかを記載します。petitionレターに記載すべき事項については、前回の記事をご参照ください。

②【必須】BOLEからの受験資格否認レター

事前資格申請時にBOLEから「受験資格なし」との通知を受けた際のレター(私の際はメール添付PDFの形式でした)の写しを添付します。

③【必須/任意】卒業大学(日本)からのレター・成績証明書・卒業証明書

これまでのロースクールの成績表(”transcripts from each law school that the applicant attended”)の添付も求められています。私は学部卒でロースクールには行っていませんが、これに準ずるものとして法学部の成績証明書を提出しました。

加えて、(これは必要書類として記載されていませんが)卒業証明書と、法学部長名で「(私)は520.6条で求められる教育上の要件を満たしている」旨を述べたレターを卒業大学に発行してもらい、添付しました。なお、当該卒業大学からのレターは、BOLEに提出されたものと同じ内容です(もう少し細かい内容のものをドラフトして送付したのですが、基本的には雛形での発行のみ対応しているとのことでした)。

これ以降の書類はいずれも、裁判所からは要求されていません。petitionが通った先輩の提出書類等を参考に、最善を尽くすために任意で添付したものですので、ご参考までご覧ください。

④【任意】入学予定ロースクール(米国)からのレター

入学予定校からのサポートレターです。趣旨を説明して作成を依頼したところ、
・(私)が受けてきた教育をもって、入学に十分であると判断したこと
・(私)を始め、日本で法学士をとった者は、NY Barの受験資格を認められるにふさわしいと考えること
といったロースクールのスタンスを示すレターを発行してもらえました。

⑤【任意】勤務先上司からのレター

私は企業の法務部門で働いているのですが、法務部門長とその直属の役員の2名(うち1名はNY州弁護士資格保有)からレターを出してもらいました。ドラフトは、ロースクール受験時の推薦状を少し組み換えて作成。

これまでの法務業務における経験・能力と、企業にとってのNY州弁護士資格取得の重要性に力点を置いた内容としてもらいました(例によってむず痒い内容のもの)。

⑥【任意】取引先米国弁護士からのレター

ダメ押しで、業務上関わりのあった米国弁護士からのサポートレターも添付。内容としては⑤のレターに近いです。

⑦【任意】レジュメ/CV

プラス要素にはならないかもしれませんが、経験業務を分かりやすく示す要素としてレジュメも添付。ロースクール受験に使用したものとほぼ同内容のものを提出しました。

⑧【任意】パスポートの写し

ほとんどの方の場合これは不要だと思われます。私の場合、BOLEによる手続きの途中で苗字が変わり、②のレターに記載されている名前のみ旧姓という状態でしたので、苗字変更の証明資料として、新姓・旧姓両方が記載されているパスポートの写しを添付しました。

なお、2021年4月1日申請分よりパスポートへの旧姓併記の手続が容易になり、また旧姓の上に”former surname”という説明が表示されるようになっています。

※その前は旧姓併記にするためには職場からの申請書等が必要で、ある種の特例扱いでした。また無事併記できても、説明もないただの括弧書きなので「この名前何?」と外国でトラブルになることも多かったとのこと。こういった不条理な不利益が、少しずつ改善されていきますように…。

2.認証手続

前述のNY州裁判所のFAQには、”a petition may be prepared in letter or affidavit form, and must be verified, i.e., notarized” とあります。そこで、書類が揃ってから、公証役場で認証の手続をしてもらいました。

認証には、署名認証と宣誓認証の2通りがあります。前者は「その人が間違いなく署名したこと」を、後者は「内容に間違いがないと宣言し署名したこと」を認証してもらうもの。後者の方がやや手続きが手間で、かつ値段が高い(11,500円⇔17,000円)です。

“affidavit form”というと宣誓認証が必要にも思われますが、”notarized letter”でOKならば署名認証でもよかろうということで、私は署名認証のみ行いました(公証人の方も、それで足りるだろうと仰っていました)。

認証まで終わったら、あとはpetitionレター部分の写しを1組用意して、原本とあわせて郵送すれば完了です。

3.おわりに

お気づきのように、万全を期すため追加書類をこれでもかと盛りだくさん用意したので、途方もない労力がかかってしまいました(諸書類のドラフト含め工数60時間くらい)。一度受験資格を否認された後petitionをするかどうか、するとしてどこまでの書類を用意するかは、職場のスタンスや他にやるべきこととのバランスを見て、慎重に検討した方がよさそうですね。

結果は分かり次第ご報告します。この努力が無事報われますように。

NY Bar
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P子のLLM留学挑戦記

コメント

  1. tomo より:

    いつも興味深く拝見しております。

    今年の秋から米国のロースクールに留学し、来年の7月のBarの受験を考えている者です。

    ネット上には勉強方法を詳しく書いている方は多数いらっしゃいますが、ほとんどが弁護士の方でした。
    そのため非法曹者が受験するための手続きがわからず困っていたところ、このブログを見つけました。
    これからBOLEに審査をお願いするにあたって参考にさせていただきます。
    また、P子さんが無事に受験資格を認められることを心から祈っております。

    今後ともよろしくお願いいたします。

    • P子 より:

      tomoさん
      コメントありがとうございます。
      まさにおっしゃる通りで、非法曹者向けの情報ってなかなか見つからないですよね。
      私にできる範囲で、これからも情報発信していけたらと思います。
      tomoさんの留学も実り多いものとなりますように!

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