米国では、国全体で共通の弁護士資格というものは存在せず、各州ごとに司法試験や弁護士制度が設けられています。
ただ、州によって内容が全く違う内容の試験が課されているのかというと実情はやや異なり、多くの州において、UBE(Uniform Bar Examination)(統一司法試験)と呼ばれる共通試験を採用しています。
UBEは、NCBE (National Conference of Bar Examiners)という団体によって実施・運営されています。
以下の3科目によって成り立っており、各科目における得点割合は以下の通りです。
・MBE (Multistate Bar Examination)
- 試験構成:択一試験200問(6時間)
- 得点割合:50%
- 試験科目:Contracts, Constitutional Law, Criminal Law and Procedure, Evidence, Real Property, Torts, Civil Procedure
・MEE (Multistate Essay Examination)
- 試験構成:論文試験6問(3時間)
- 得点割合:30%
- 試験科目:MBE科目+Business Associations, Conflict of Laws, Family Law, UCC Art 9 (Secured Transactions), Trusts & Estates
・MPT (Multistate Performance Test)
- 試験構成:起案試験2問(3時間)
- 得点割合:20%
UBEを完全には採用していない州でも、上記のいずれかの科目は試験に組み込んでいるところがほとんどです。
なお、同様にUBEを採用している州でも、最低合格点の設定は州ごとに異なります。
400点満点中、一番低くて260点(アラバマ州やミネソタ州)、高くて280点(アラスカ州)と差がありますが、日本人が受ける可能性が高い州は、ほとんどが266点または270点という設定になっているようです。
また、UBEに加えてさらに、MPRE (=Multistate Professional Responsibility Examination:弁護士倫理試験)や、州独自の試験や課題を課しているところも少なくありません。
例えばニューヨーク州では、MPREと、NY州法に関するオンライン講義NYLC (NY Law Couse)の受講、オンライン試験 NYLE (NY Law Exam)の合格が求められています。
ニューヨーク州の試験についての詳細は、以下をご参照ください。
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