NY州弁護士になるための条件の一つ、NY Bar(いわゆるNY州司法試験)については触れてきましたが、その他必要な要件の概要について、今回改めてざっくりと整理してみます。
(それぞれの項目の詳細については、今後必要に応じ別記事にまとめたいと思います。)
1.NY Bar Exam に合格
これが一番難しいところですが、NY Bar Exam(いわゆるNY州司法試験)に合格する必要があります。
NY Bar は2日間にわたる試験で、毎年2月と7月に実施されています。
以前に以下の記事で書いた通り、日本からの留学生が NY Bar の受験資格を満たすためにはLLMを修了している必要があるため、最短で卒業式(5月または6月)終了後すぐの7月の試験での合格を目指すこととなります。
Bar Exam の詳細はこちら:https://www.nybarexam.org/TheBar/TheBar.htm
2.MPRE に合格
MPREは、Multistate Professional Responsibility Examination の略。
弁護士としての職業倫理に関する試験です。
毎年3月、8月、11月の3回実施。
85点が合格点で、NY Bar Exam の前後どちらで受験しても問題ありません。
Barと比較すると易しいため、入学後11月の試験をすぐに受験するというパターンが多いようです。
詳細はこちら:https://www.nybarexam.org/MPRE/MPRE.html
3.NYLC の受講、NYLE に合格
NY州法に関する NY Law Course (NYLC) を受講した後、NY Law Exam (NYLE) に合格する必要があります。
NYLCは、NY州法12科目に関する、約15時間の録画授業のオンラインコースです。
BOLEアカウントを作成したら受講可能となります。
NYLC を受講したら、NYLE を受験できるようになります。
NYLE は、オンラインで受験する択一試験で、年4回実施されています。
Open Book 方式(参考書等を参照可能)ですが、その分時間配分等は厳しくなっているようです。
詳細はこちら:https://www.nybarexam.org/Content/CourseMaterials.htm
4.プロボノ活動
また、50時間以上のプロボノ活動を行うことが求められています。
プロボノ活動とは、専門知識を用いた社会貢献活動のこと。
無償で法律相談に応じることなどがこれにあたります。
詳細はこちら:https://www.nybarexam.org/MPB.html
5.実務能力要件 (Skills Competency)
2018年から新しく加わった要件(Skills Competency Requirement)です。
ざっくりいうと、日本で弁護士としての実務経験があればOKなのですが、そうでなければ、一部のLLMプログラムを除き、米国の法律事務所で6ヶ月間の実習を行う必要があります。
この要件については、複数のパターンがありますので、別途詳細をまとめてみたいと思います。
詳細はこちら。
https://www.nybarexam.org/Skills/skills.htm
6.必要書類の提出
Bar Exam に合格したら、弁護士登録にあたって必要となる書類一式を提出します。
7.インタビュー、宣誓式への出席
全ての要件を満たした後、NY州都 Albany において、インタビューと宣誓式に出席し、晴れて弁護士となります。
なお、このインタビューはほとんど雑談のようなもので、余程でない限り、ここで合否が判断されるものではないようです。
終わりに
NY州弁護士になるためには、いわゆる司法試験(Bar Exam) 合格以外にも満たすべき要件が多くあり、なかなか大変な道のりです…。
まだまだ準備を始めたばかりですので、ひとつずつ必要事項をクリアにし、やるべきことを進めてめていきたいと思います。
コメント
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