米国LLM出願準備

LLM受験準備
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LLM留学に向けた社内選考合格通知をもらってから、早2年。
コロナ禍の煽りを受けて入学を1年繰り延べし、感染者数の推移をハラハラしながら見守ってきましたが、ワクチン開発も進み、来夏の渡米にもようやく希望の光が見えてきました。

そこで、米国LLM留学出願時に行ったことを、改めて整理したいと思います。

1.TOEFL受験

何はともあれ、TOEFLの点数が必要です。
米国には、いわゆるTOP14と呼ばれるロースクール群が存在し、それらの1つに受かろうとするのであれば、できれば100点は欲しいところです。

私は5ヶ月ほどかけて、90点→109点まで点数を上げました。
点数アップのための勉強方法については、以下に記載しています。

なお、後述する出願書類準備とTOEFL対策の勉強を並行するのは、相当なストレスとなりますので、TOEFLについてはできるだけ早く対策を始め、点数を取ってしまうのが望ましいです。

2.LSAC登録

現在、米国ロースクールへの出願は、ほとんどの場合、各校への個別出願という形ではなく、
The Law School Admission Council (=LSAC) という組織が運営するウェブサイトを経由して行う形式となっています。

これは、出願における必要情報を一元的に収集できるとともに、成績証明書など各校共通の提出書類であれば1組だけ登録すればOKなど、出願者にとっても便利な仕組みだと思います。

留学が決まったら、まずはこのLSAC上でアカウントを作成します。
実際に各校への出願ができるようになるのは9月以降ですが(学校により異なります)、成績証明書や推薦状などは、準備ができ次第、どんどんLSAC上にアップロードしていくことになります。

3.出願書類の準備

①成績証明書・卒業証明書

大学の学部以上における成績証明書および卒業証明書。
真正性確保のため、封をした上で、学校から直接LSACに送付してもらう必要があります。
大学教務課によっては慣れておらず、想定外に時間がかかることもあるので、できるだけ早く手続きを始めることが望ましいです。

私はロースクールには行っておらず、提出したのは学部時代の証明書のみでした。
なお、母校の東大は、教養学部(1・2年次)と各学部(3・4年次)で成績証明書が分かれており、おそらく後者(法学部時代)のみでも足りたのですが、教養学部時代の方が成績がややマシでしたので、少しでもGPAを稼ぐため両方提出しました。

また、短期留学をしている場合で、当該留学期間中の成績が出ている場合は、その期間の成績表も追加で送るという手もありえます。
私は在学中に3回短期留学しており、うち1回分は追加提出要件を満たしていたので、藁にもすがる思いで追加提出しました(役に立ったかは謎です)。

なお、これらの成績は、GPA換算でそのまま使われるわけではなく、送付後、LSACにより4段階評価に変換された上で各校に提出されます。
1番上の “Superior” が取れればプラス、
2番目の “Above Average” であれば可もなく不可もなし、
3番目の “Average” 以下だと、評価にあたりマイナスになる、という感覚です。

私の場合、教養学部・法学部時代あわせてGPA3.0と、なかなか際どいラインでしたが、なんとかAbove Averageに滑り込むことができました。

②CV(レジュメ)

いわゆる履歴書です。
日本の履歴書のようなフォーマットは決まっておらず、word A4用紙1~2枚で作成します。

内容としては、職歴、学歴(学部以上)、資格、表彰歴、出版物など。
出願にあたりアピールできるものを、これでもかと羅列します。

私は企業のいち法務部員にすぎず、法曹資格者と比べ資格や職歴で劣る自覚があったため、留学歴や奨学金、話せる言語など、それ以外のアピールポイントをゴリ押ししました。
謙虚さや奥ゆかしさなど捨て去って、自分を褒めまくったので、二度と読み直したくないですね…。

③Personal Statement (PS)

いわゆる志望動機書。
就活経験者には、エントリーシートを想像していただくとよいかと思います。

以下を1つのストーリーに組み立て、word 1~3枚にまとめます。
・なぜLLM留学なのか?
・なぜ〇〇大学なのか?
・〇〇大学で、クラスに対しどんな貢献ができるのか?

ただでさえ内容の推敲に時間がかかるのに加え、出願書類の中でほぼ唯一、大学ごとに提出要件(形式・分量)がバラバラであり、各校ごとのカスタマイズが必要なため、PS作成は、出願準備の中で最も時間と労力を要する作業となることが多いと思います。

なお、日本からの出願者は、
・これまでにやった仕事のアピール
・だから〇〇大学でこういった授業を取りたいです
といった構成にすることが多いようです。

④推薦状

academic(大学教授などから)とprofessional(職場上司から)の最低2通が必要です。
LSACを経由しての登録の場合、各校共通で作成(書き出しは “Dear Sir/Madam”など)で問題ありません。
できれば提出先ロースクールの卒業生に書いてもらうのがよい、といった噂がまことしやかに囁かれている大学もありますが、合否との関係性はあまり感じませんでした。

とはいえ、できるだけ名の通った人や、自分の専門分野の権威の方などに書いてもらえるのであればベストかとは思います。

★番外編(法曹無資格者向け):Eligibility(出願資格)の確認

以前は法学部卒であれば問題なく米国LLM受験可能でしたが、LSACが定める出願要件が2016年に「学士号と司法研修所の修了」または「法学士と法科大学院」に変更されました。
すなわち、ロースクールも出ておらず、法曹資格も有していない法学部卒は、(LSACの定める要件上は)米国LLM受験資格なし、ということです。

そこで、出願手続開始前に、各校に対し直接メールで出願資格確認の問合せを行いました。
結果としては、TOP14ロースクールのうちYale大学以外はLSACの要件にかかわらず「受験資格あり」とのこと。
(「合格者はほとんど有資格者だから留意してね」というただし書きをつけてくる大学もありましたので、多少は不利になってしまうのかもしれませんが…。)

コメント

  1. こんにちは、これはコメントです。
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  2. ゆう より:

    突然すいません。
    法曹無資格でLLM受験を考えているものなのですが、一点ご質問させていただいてもよろしいでしょうか。
    LSACの最初の登録画面のDEGREE INFORMATIONはI do not have a degree in lawを選びましたか?first degree in lawには当たらないことを考慮して資格なしを選んだのですが、LSACから成績証明書が届いた際に、資格確認のメールがきまして…再度アカウントを作り直そうか検討しているところです。
    周りに法曹無資格で受験した方がおらず、HPで検索してたどり着いたこちらでついコメントさせていただきました…
    P子さまにとっては一年以上前の事なので忘れていたらまたはご迷惑でしたらご放念ください。
    せっかくの留学中のおり、このような連絡をしてしまい申し訳ございません。

    • rm より:

      ゆうさん
      コメントありがとうございます。
      ご質問の点、”first degree in law”ではなく”degree in law”の項目ということですよね…?
      はっきり覚えておらず申し訳ないのですが、私の際は”first degree in law”については「該当なし」とし、”postsecondary institution”の欄に法学部の情報を記入して、その他は特に聞かれなかったように思います。
      少なくとも、卒業証明書と成績証明書以外には何も証明書の類は要求されませんでした。。

      • ゆう より:

        P子さま

        さっそくご返信いただきありがとうございます!
        「該当なし」としたというお話を聞くことができて大変心強いです…!

        そしていただいたコメントで ”postsecondary institution” に何も記載していなかったことに気付きました。その上の ”bachelors degree-grading institution” のみ記載して満足していたようでした。LSACがlegal trainingの情報を確認してきたのはおそらくこういった背景だったようです。
        transcripts情報を修正するようLSACに依頼しようと思います。

        留学中でご多忙の折、さらに一年以上も前の話にも関わらず、親切にご教示いただきありがとうございました。
        シカゴでの益々のご活躍をお祈りしております…!!

        • rm より:

          ゆうさん

          あまり明確なお答えができずすみません、、少しでもご参考になったようであれば幸いです!
          LLM出願、とてもお忙しくなられるかと思いますが、希望のロースクールに合格されることを心よりお祈りしています。

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