いよいよ留学も間近に迫ってきたということで、ステイホームのGW期間を活かして、アメリカ法入門書の代表どころの読み比べをしてみました。
狙ったのは、初学者向けにアメリカ法全般の概要を分かりやすく解説した本。
評価が高いものや発行日が新しいものを優先的に、以下の4冊を選びました。
今回は、この本についての感想を書きたいと思います。
はじめてのアメリカ法 補訂版/有斐閣/樋口範雄
この本は、上に挙げた4冊の中で最も(圧倒的に)読みやすかったです。
特徴は、「アメリカ法に関するトピックを全15回の講義で語る」という構成になっているところ。
第1回 契約書を読もう
第2回 WとBの隣人訴訟
第3回 判決文を読もう
第4回 約因法理とは何か
第5回 契約を破る自由
第6回 不法行為法と過失責任主義・・・
と、各回1つずつ、アメリカ法(あるいは英米法)における特徴的な考え方に焦点を当てて説明していく、といった形です。
ほとんどの回において、事例として代表的な判例が分かりやすく説明されており、具体的なイメージが湧きやすい作りとなっています。
また、随所で日本法との比較がなされているのも、とても分かりやすく感じました。
文体は柔らかな「ですます」調、終始読者へ語り掛けるような調子で、スラスラと頭に入ってくるため、まさに初学者向けといった印象です。
あえてデメリットを挙げるとすれば、アメリカ法の面白さを分かりやすく伝えることに重点が置かれているがゆえに、触れられているトピックは他の3冊より限定的ですので、より本格的・体系的にアメリカ法の概観を学びたいという方には向いていないかもしれません。
アメリカの法律と言われても何のことやら、とりあえずどんな感じかサラっと見てみたい、という方にはとてもお勧めできる本だと思います。
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